「ベトナムの宗教って何?」
「東南アジアだから仏教?」
なんて方は少なくないのではないでしょうか?
その国の宗教を知ることは、その国の人々の考え方の本質を知ることにほかなりません。
ベトナムという国をよりよく知るために、ベトナムの宗教をしっかりと学んでいきましょう!
ベトナムは無宗教国家?
まずはじめに、ベトナムの宗教別信仰割合をグラフで見てみましょう。
最も多いのは仏教、次いでカトリック、ホアハオ、カオダイと続いていますが、8割以上は無宗教です。
ここでいう無宗教とは『敬虔な信者ではない』ということを示しています。
日本でもほとんどの人が自分を無宗教者だと考えていますが、お正月になれば初詣に行きますし、クリスマスになればケーキを食べますよね。
ベトナム人も同様です。
よって、無宗教者の多くは『半仏教徒』であり、適宜仏教的行事に参加します。
サイトや書籍によって無宗教の割合が違うのは、こういう事情があったんだ。
ベトナムは東南アジア唯一の『大乗仏教』
ベトナムは、東南アジアでは珍しい『大乗仏教』の国です。
そもそも、『大乗仏教』とは一体何なのでしょうか?
仏教は大きく、『上座部仏教(小乗仏教)』と『大乗仏教』に分類されます。
『上座部仏教(小乗仏教)』とは、出家して修行を積むことを通してのみ悟りに達することが出来ると考える宗派です。
これに対し、『上座部仏教(小乗仏教)』は出家して修業を積める一部の人間しか救われない』と考えた人々により始まったのが『大乗仏教』です。
大乗仏教では、誰もが悟りを開くことができるとしており、その方法を巡って様々な宗派が誕生しました。
東南アジアの主流は『上座部仏教(小乗仏教)』ですが、ベトナムは長らく中国大陸からの直接支配を受けていたこともあり、『大乗仏教』の国となっています。
大乗仏教はみんなを救う大きな乗り物、上座部仏教(小乗仏教)は一部の人間のみが救われる小さな乗り物と例えられることもありますね!
フランス植民地時代に流入したカトリック
仏教の次に信者が多い『カトリック』は、15世紀に宣教師によってベトナムに流入し、フランス植民地時代に全土に広まりました。
ナムディン省(Nam Định)では現在もカトリックが盛んで、多くの教会が存在します。
カトリックの影響は宗教だけにとどまりません。
フランス人カトリック宣教師・アレクサンドル・ドゥ・ロードは、それまで漢字を使用していたベトナムの文字を、アルファベットに置き換え、現在の形にしたことで有名です。
少数民族の宗教は様々!
ベトナムは54もの民族から構成される、多民族国家です。
うち、約85%をキン族が占めており、残りの15%を53の少数民族が占めています。
中国国境付近の北部少数民族を中心とした山岳地帯の少数民族の多くは、独自の『精霊崇拝(アミニズム)』を持っています。
アミニズムとは、生物・無生物問わずすべてのものに魂が宿っているとする考え方で、日本の『八百万の神』と似た考え方です。
また南部の少数民族は、仏教をルーツとしてブッダの化身とされる教祖が開いた『ホアハオ教』などの新興宗教が盛んです。
まとめ
ベトナム人の大半が無宗教であることは、個人的にも意外でした。
今回は簡単にご紹介しましたが、宗教を地域ごとに細かく見ていくことで、よりベトナム人のものの考え方の本質が見えてくると思います。
是非ご自身でも調べてみてください!
今後もベトナムに関するあらゆる情報を更新していきますので、よろしくお願いいたします!
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