『ベトナムの言語って何語?』
『ベトナムで英語や日本語は通じるの?』
そんな方々に向けて、今回はベトナムの言語についてまとめてみました。
ベトナム旅行やベトナムへの出張、ベトナム在住の方など様々な方の参考になると嬉しいです!
1.ベトナムの言語って何語?
ずばりベトナムの言語はベトナム語です。
初めて聞いたって方がほとんどだと思います。
このベトナム語は、ベトナムの総人口の87%を占めるキン族の母語であり、ベトナムの正式な公用語として認定されています。
ベトナムは北部の中国国境付近を中心に多くの少数民族が存在する多民族国家です。
近年では、その少数民族間でも共通語としてベトナム語が用いられているようです。
2.ベトナム語の歴史
ベトナム語は日本語と同様に中国語の影響を強く受けた言語であるとされています。
現在のベトナムであるベトナム民主共和国の建国以前は、漢字を独自に変形した「Chữ Nôm(チュッウ ノム)」が使用されていました。
戦後のベトナム民主共和国成立と同時に「Chữ Nôm」は廃止され、「Chữ Quốc Ngữ(チュッウ クゥオッ ングッウ)」が採用され、現在のベトナム語となりました。
よって、現在のベトナム語では漢字が使われることはありません。
日本語もベトナム語も中国語の影響を強く受けているため、発音の似た言葉が多数存在します。
- 愛国 ←→ Ái quốc(アイ クゥオック)
- 判断 ←→ Phán đoán(ファン ドアン)
- 注意 ←→ Chú ý(チュー イー)
3.ベトナム語の基本文法
ベトナム語は英語同様
主語 + 動詞 + 目的語
の形が基本です。
例)私はフォーを食べます。
Tôi ăn phở.(トイ アン フォー)
Tôi=私 ăn=食べる phở=フォー
4.ベトナム語の特徴
①発音がかなり難しい!
ベトナム語は世界的にみても発音がかなり難しい言語とされています。
発音をここまで難しくさせているのが11個の母音と6つの声調の存在です。
日本語の母音は「あ」「い」「う」「え」「お」の5つですね。
ベトナム語の母音は「a」「â」「ă」「i」「u」「ư」「e」「ê」「o」「ô」「ơ」の11個もあるんです。
さらに、その一つ一つの母音に6つの声調のいずれかが付きます。
6種類の声調とは「a(声調なし)」「á」「à」「ã」「ạ」「ả」のです。
これらの母音と声調はベトナム人の実際の発音を聞くことでしか習得できません。
私はベトナム語の発音の基礎を「ベトナム語レッスン初級<1><2> / 五味政信(著) / スリーエーネットワーク」で学びました。
CD付きで発音練習もはかどりましたし、文法解説も丁寧でしたのでおすすめです。↓
②北部と南部で発音が違う?!
ベトナム語は地域による発音の違いが著しいです。
北部のハノイでは「da」や「gia」は「ザー」と発音しますが、南部のホーチミンでは「ヤー」と発音します。
また、お父さんはハノイでは「bố(ボー)」ですが、ホーチミンでは「ba(バー)」になります。
このように言葉自体が変化してしまうものもあります。
ただし、テレビの放送などで一般的に使われている、いわゆる標準語はハノイ弁とされているので、ハノイ弁を学んでおけば間違いはありません。
③「わたし」や「あなた」などの人称代名詞が多い
ベトナム語では相手との年齢差によって自分や相手の呼び方を様々に変えます。
例えば相手が少し年上の男性なら「Anh(アイン)」、自分の祖父母くらいの年齢の男性なら「Ông(オン)」のような感じです。
この人称代名詞を理解できなければ、ベトナム語での会話はほとんどできません。
ベトナム語初学者の鬼門となっている人称代名詞ですが、別記事でかなり詳しくまとめましたので是非参考にしてみて下さい。
5.ベトナムで英語は通じるの?
結論から言うと、観光地のホテルや飲食店などでは通じます。
日本と比較するとベトナムはかなり英語を話せる人は多いように感じます。
外国人とも気さくに話せる、ベトナム人の社交性がその要因の一つかもしれません。
一つ問題があるとすると、発音がかなりのベトナム訛りということです。
ベトナム人の話す英語の特徴として、語尾の子音をほとんど発音しないということが挙げられます。
例を挙げると、
- Facebook → フェイブッ
- YouTube → ユートゥッ
最後がプツリと切れてしまう感じです。
これはベトナム語で語尾の子音を発音しないことに由来していると考えられます。
慣れるまでに少し時間がかかるかもしれません。
6.ベトナムで日本語は通じるの?
日本語はベトナムで第二外国語に指定されるなど、多くのベトナム人が学ぶ言語となっています。
日本人観光客が多い影響もあり、主要な観光地付近のホテルやレストランでは日本語が通じることは多いです。
そもそも、すべて日本語表記のある日本人向けのホテルやレストランも存在しますので、そういったところを選べば英語とベトナム語両方分からなくとも旅行が楽しめます。
それでもやっぱり最低限の現地の言葉を知っておいた方が、トラブルに巻き込まれることも少なくなると思います。
まとめ
近年の技能実習生や留学生の増加により、ベトナム語のニーズは高まっているように感じます。
本記事を通じて少しでも多くの方にベトナム語に興味を持っていただければ幸いです。
本サイトではほかにもベトナム語に関する情報を発信しています。
是非確認していただけると嬉しいです!
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