もう年末かぁ。
今年一年もあっという間だったなぁ。
日本はもうすぐお正月ですね。
予定はもう決まっていますか?
祖父母の家に行くくらいかな。
あとは家でのんびりする予定です!
へぇ~。
ベトナムのお正月とずいぶん雰囲気が違いそうですね。
そうなんですか?
ベトナムのお正月も日本のように家でのんびり過ごすのかと思っていました。
ベトナムのお正月はとっても賑やかなんですよ。
今日はその話をしましょうか(^^)/
テト(旧正月)って何?
テト(旧正月)とはベトナムのお正月のことを指します。
現在日本の暦は地球が太陽の周りをまわる期間(365日)を基準としています。
これを「太陽暦」といいます。
ところが明治時代以前の日本は、月の満ち欠けを基準とした「太陰暦」を採用していました。
よって日本では、古くに使われていた太陰暦を「旧暦」、現在使われている太陽暦を「新暦」と呼ぶようになりました。
一方でベトナムや中国、シンガポールでは今もなお旧暦を用いて暦を数えています。
そこで日本では新暦のお正月と旧暦のお正月を区別するために、旧暦のお正月のことを「旧正月」と呼ぶようになったのです。
日本も昔は旧正月があったってことか。
現在は新暦に馴染んでしまったので、旧正月を祝う文化はなくなってしまいましたね。
ベトナムのテトっていつ?
それではベトナムのテトはいつから始まるのでしょうか?
旧暦の特徴としてテトの時期は以下のように毎年変わります。
テト(旧正月)期間 | |
---|---|
2018年 | 2月14日~20日 |
2019年 | 2月2日~10日 |
2020年 | 1月23日~29日 |
2021年 | 2月10日~16日 |
2022年 | 1月29日~2月6日 |
2023年 | 1月20日~1月26日 |
2023年のテト休みは1月20日(金)~1月26日(木)までの9日間です。
また、2023年の旧暦の元日は1月22日です。
テトには何をするの?
ベトナムのテト(旧正月)には様々なイベントがあります。
日本のお正月の落ち着いた雰囲気とは違い、ベトナムのテトはとても賑やかなのが特徴的です。
花火で新年を祝う
ベトナムでは新年の到来を花火で祝う習慣があります。
旧暦の大みそかの晩から多くの人が街に繰り出し、年が明けると同時に10分~15分ほど花火が打ち上げられます。
ハノイやホーチミンでは毎年同時に数か所の花火会場が設けられ、各々一番アクセスのいい会場に駆けつけます。
会場は大変混雑しタクシーを拾うのも一苦労なので、帰りの足は事前に準備しておくか会場近くにホテルをとっておくと良いです。
Táo Quân(タオクアン)を見て1年を振り返る
毎年末に1年間の社会的な出来事を面白おかしく振り返る番組です。
この番組のベトナムでの人気は非常に高く、多くの家で家族そろってみるのが習慣となっています。
バインチュン(Bánh chưng)を食べる
バインチュンは日本でいう「ちまき」の様な食べ物ですが、大きく異なる点がいくつかあります。
まず、ベトナムのちまきは日本のちまきと違い正方形をしています。
その中身も特徴的で、もち米の中に緑豆の餡と豚肉を入れます。
それをラーゾンと呼ばれる葉で包み8~12時間ほどゆでる、非常に手間のかかる料理です。
ベトナムの神話にも出てくる食べ物であり、テト(旧正月)に食べると縁起のいい食べ物とされています。
この時期になると家族みんなでバインチュンを作る光景が各地で見られます。
新年の挨拶回り
年が明けると新年の挨拶回りに出かけます。
ベトナムのテト(旧正月)では初日が父方の親戚、2日目が母方の親戚、3日目が先生を訪問し新年の挨拶をするということが決まっています。
それに加えて、親しい友人やご近所さんの家にも挨拶に行くところが日本のお正月とは異なります。
訪問した家ではお互いにお酒を酌み交わし新年を祝うことが多いです。
お年玉
ベトナムにも日本と同様にお年玉が存在します。
これを「リーシー(Lì xì)」といいます。
日本では自分の子供や親せきの子供にしかお年玉は与えませんが、ベトナムではさらに友人の子供や近所の子供にも渡します。
また、会社の上司から部下に渡したり、社会人になった子供が親に渡すなど大人がお年玉をもらうケースもあるようです。
私はベトナム留学中に寮の管理人からお年玉をいただきました。
金額はおおよそ2万ドン~20万ドン(100円~1000円)程度で、相手の年齢や親密度によって任意に決めていきます。
初詣に行く
ベトナムでも日本と同じく、年が明けるとすぐに家族で寺や神社に初詣に行きます。
初詣では家族の健康や平穏、夫婦がうまくいくこと、仕事がうまくいくこと、子どもの学業成就など様々なことを祈ります。
ベトナム政府の調査によるとベトナム人の80%ほどは無宗教であるとされています。
それでも昔から続く仏教文化が強く根付いており、季節ごとの行事はいまだに広く行われています。
なんだか日本と似ているね。
カラオケで盛り上がる
近年のベトナムでは、テト(旧正月)期間中に友人を誘ってカラオケに行って新年を祝うことが増えています。
特にベトナムの若者は好んでカラオケに行きます。
ベトナムではビアホイと呼ばれる居酒屋にカラオケの機材が用意されていることも多く、突然知らない人が歌いだしたり、その歌に合わせて手拍子を送ったりと非常に盛り上がります。
「Ngày Tết Quê Em(私の故郷のテト)」はベトナムのテト(旧正月)を象徴する歌です↓
ベトナムのテト(旧正月)はイベントが盛りだくさんなんだね!
そうです!
とっても賑やかなんですよ!
日本では門松とか鏡餅など縁起のいいものを飾る風習があるけど、ベトナムにも似たようなものはありますか?
ベトナムでもテト(旧正月)の間にすべき縁起のいいことと、すべきでない縁起の悪いことがあります。
少しだけご紹介しますね。
テトにすべきこと
桃の木や梅の木を飾る
ベトナムのテトでは、家や学校、会社のオフィスなどに桃の木や梅の木を飾ります。
桃の木には家族が元気に過ごせるよう「健康」を祈願するという意味があります。
一方で梅の木には、1年間お金に困らず生活ができるようにという願いが込められています。
大まかな傾向として北部の人は梅の木を飾り、南部の人は桃の木を飾ります。
もちろん桃や梅のほかにも、楽しさや喜びの象徴である黄色い菊や平和や若さを表すバラなど、それぞれお好みの花や木を飾ることが出来ます。
大きな花を咲かせられるような1年にしようという意味で、なるべく多くの蕾がついている木を買うのが縁起が良いとされています。
桃の木や梅の木は路上で売買され、大いに盛り上がります。
塩を買う
ベトナムでは旧暦の元日に塩を買うと良いとされています。
日本と同じくベトナムでも塩は悪霊を退散し、家族に幸運を呼び込むものとして考えられています。
また、ベトナムでは塩辛さは暖かさを象徴しており、新たな年にも暖かな家庭であれるようにという意味も込められています。
赤いものを身に付ける
多くの東南アジア諸国では、赤い色は幸運や幸福、富を象徴する色であるとされています。
したがって新年にはなるべく多くの赤いアイテムを身に付けると幸運を引き寄せることが出来ます。
テトに着る衣装やお年玉のポチ袋に赤色が多い理由はここにあるのです。
お供え物をする
ベトナムのテトでは祭壇に「Mâm ngũ quả」というお供え物をして、祖先への感謝や子孫の繁栄などを祈ります。
「Mâm」はお盆、「ngũ」は数字の5、「quả」は果物をそれぞれ表し、「Mâm ngũ quả」はお盆の上に5色の果物を乗せたもののことを指します。
色 | 意味 | 代表的な果物 |
---|---|---|
黒 | 水 | 暗い色の果物 |
赤 | 火 | ドラゴンフルーツ スイカ |
青 | 木 | バナナ パパイヤ |
白 | 金 | ココナッツ |
黄 | 土 | ザボン オレンジ |
地域によって供える果物は様々です。
また、5色の果物というのは最低限で、それぞれの家庭によって供える果物の数は異なります。
テトにすべきではないこと
元日の掃除
テトでは元日の掃除は厳禁です。
元日に掃除をしてしまうと、ごみと一緒に運気や富まで掃き出してしまうからです。
また南部では、掃き掃除をした箒を片付けていないと空き巣に入られてすべての資産を失うと考えられています。
家の掃除は旧暦の元日を迎える前に済ませておき、箒はしっかりと片付けておきましょう。
ものを借りること・借金をすること
ベトナムでは新年に借りものをしていると、その年はさらに多くの借りものをしてしまうという言い伝えがあります。
借金をしたまま新年を迎えてしまうと、その年はさらに借金が増えてしまうということになります。
よって多くのベトナム人は借り物や借金を旧暦の大みそかまでに返済します。
喧嘩
テトはその先1年間の幸運を呼び寄せる日です。
テト期間中の喧嘩はたとえ些細な喧嘩であってもその先1年間の幸運を逃がし、不運を招き入れてしまいます。
テト期間中は誰に対しても優しく楽しく振舞い、幸運を引き寄せることが大切です。
お皿やティーポットを割ること
ベトナムでは古くから、テトにお皿やティーポットを割ると家族が割れる、すなわち家族がバラバラになってしまうと考えられてきました。
もちろん窓ガラスや眼鏡など、ありとあらゆる割れるものの扱いには十分に注意する必要があります。
ベトナムのテトは日本のお正月とはまた違う楽しさがありそうですね!
両国のお正月を体験して比較してみるのも面白いと思います!
そうですね!
それでは、よいお年を~
良いお年を~(‘ω’)ノ
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