ベトナム語を学習している方のなかには「Xin Chào(スィン チャオ)」という言葉を一番初めに覚えたという方も多いかと思います。
大半の参考書には「Xin Chào(スィン チャオ)」はベトナム語の一般的な挨拶で、こんにちはという意味を持つと書かれているかと思います。
ところがここには大きな誤解があることをご存じでしょうか?
今回はベトナム語の「こんにちは」をどのサイトよりも詳しく解説します。
今日で間違った挨拶とはお別れしましょう!
ベトナム人が「シンチャオ」を使わない理由
ベトナム語の参考書では Xin Chào が一般的な「こんにちは」であると紹介されていることが多いかと思います。
私もベトナムに留学して間もないころには自信満々に「Xin Chào」と友達に挨拶していました。
ところがベトナム人は誰もこの挨拶を使わないんですね。
その理由は、『言い回しが丁寧すぎる』からです。
たしかに Xin Chào には「こんにちは」という意味があるのですが、使う場面は大勢の前でのプレゼン時や教科書通りの挨拶しか覚えていない外国人に対してのみです。
それでは普段ベトナム人はどのような「こんにちは」を使っているのでしょうか?
ベトナム語の様々なこんにちは
ベトナム語の「こんにちは」は丁寧な言い方から、カジュアルな言い方まで様々あります。
まずは一番カジュアルな基本形を見ていきましょう。
ベトナム語の「こんにちは」の基本形
- Chào anh(チャオ アイン)
- Chào chị(チャオ チ)
ベトナム語の挨拶は基本的に
Chào + 人称代名詞
で構成されています。
人称代名詞は「わたし」や「あなた」、「彼」、「彼女」のような、名前を呼ぶ代わりに使う人の呼称のことです
例えば、ベトナム語では自分より年上の男性を「Anh(アイン)」と呼びますから、自分より年上の男性に挨拶をするときには、
Chào anh
になります。
同様に、年上の女性に挨拶をするときには
Chào chị
になります。
ベトナム語の人称代名詞は数が多く、かつ複雑なので以下の記事を参考にしてください。
丁寧なこんにちは
- Chào anh ạ(チャオ アイン ア)
- Chào chị ạ(チャオ チ ア)
ベトナム語では文末に「ạ(ア)」をつけることで丁寧さを表現することが出来ます。
「こんにちは」の場合にも同様です。
基本形に「ạ(ア)」を追加してあげることによって、丁寧なあいさつをすることが出来ます。
超丁寧なこんにちは
- Em chào anh ạ(エム チャオ アイン ア)
- Em chào chị ạ(エム チャオ チ ア)
今度は文頭に「Em(エム)」が追加されています。
Em は年下の人が年上の人話すときに使う自分を指す呼称です。
これを文頭に追加することでさらに丁寧なあいさつをすることが出来ます。
日本語には「こんにちは」の丁寧語はありませんから理解しにくいかもしれませんが、ベトナムではよく使われる表現です。
初めて会う年上の人などにはこの表現を使いましょう。
「こんにちは」という意味を持つその他のフレーズ
英語には「How are you」や「How’s it going」のように挨拶代わりに使うフレーズがありますよね。
これと同様にベトナム語にも「こんにちは」のような挨拶の代わりに使われるフレーズが存在するんです。
それが、
Ăn cơm chưa?(アン コム チュア)
です。
これは直訳すると「ご飯を食べた?」という意味です。
久しぶりに連絡してきた友達の第一声が「Ăn cơm chưa?」なんてこともよくあります。
突然「ご飯食べた?」と聞かれると、日本人的には相手が自分と一緒にご飯に行きたいのではないかなんて思っちゃいますよね(笑)
ただこの表現はベトナムでは軽い挨拶を意味し、深い意味はないんです。
よく使われる表現ですので、覚えておいて損はありません。
まとめ
ベトナム語の「こんにちは」を詳しく解説してきましたがいかがだったでしょうか?
日本語では1つしか言い方はありませんが、ベトナム語では相手の立場に応じて丁寧にしたり、はたまたカジュアルにしたりと多少形を変える必要があります。
徐々に慣れていきましょうね!
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