ベトナムに残るフランス文化。フランス植民地時代の面影。

歴史
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ベトナムの都市ハノイやホーチミンには、今でもフランス文化が根強く残っています。
これは、ベトナムが戦時中にフランスに支配されていたことに由来します。

今回は、ベトナムの都市を歩いているとよく見かけるフランス文化の名残をご紹介します。

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フランスによるベトナム支配の開始

フランスとベトナムの関係は16世紀ごろのキリスト教(カトリック)の布教から始まります。
北部沿岸から徐々に信者を増やしていたカトリックでしたが、19世紀後半ごろからその関係性が変わっていきます。

ベトナムは長らく中国王朝の支配を受けていきました。
それでも何とか独立王朝を維持していたベトナムでしたが、19世紀中ごろ、中国王朝の弱体化に目を付けたフランスによって占領されてしまいます。
名目は「カトリック宣教師団の保護」でしたが、実質的な植民地化でした。

なお、フランスはベトナムだけでなくその周辺のカンボジア、ラオスも支配下に置き1887年にはそれらの国も併せた「フランス領インドシナ連邦」が成立しました。

ここから長きにわたるフランスのベトナム支配が始まったのです。

ベトナムに残るフランス文化

上記のようなフランスによる統治を通し、現在のベトナムには多くのフランス文化が残っています
ここからはその中でも代表的なものを簡単にご紹介します。

フランス文化はベトナムのいたるところで感じることができます。

建築

ホーチミンやハノイなど、ベトナムの都市を歩いていると、たびたび西洋風の建物に遭遇します。
これらのほとんどはフランス統治時代の名残です。

とくに有名なものとして、ホーチミンの『ホーチミン人民委員会庁舎』が挙げられます。
この建物はフランス統治下の1908年にパリの市庁舎を参考に建てられました。

夜にはライトアップがあり、まるでフランスにいるかのような雰囲気を味わうことができます。

ホーチミン人民委員会庁舎

また、ハノイにある『オペラハウス』も、西洋を感じさせる建築の一つです。

このオペラハウスは1901年から1911年の間にフランスの植民地政権によって建てられました。
フランスの進駐軍がベトナムに建てた3つのオペラハウスのうちの一つで、残りの2つはハイフォン歌劇場とホーチミン市市立劇場です。

こちらも夜にはライトアップがあり、周囲は幻想的な雰囲気に包まれます。

ハノイのオペラハウス

宗教

ベトナムの宗教にも、フランス統治下の名残を感じることができます。
それがフランス統治下に流入した『カトリック』です。

下の表は、ベトナム人の信仰している宗教の割合を示しています。
カオダイ教とは1926年にサイゴン(現在のホーチミン)を中心に発展した宗教です。

カトリックは仏教に次いで、2番目に信者の多い宗派となっています。
町中を歩いていると、首に十字架をぶら下げたベトナム人にしばしば遭遇します。

無宗教73.2%
仏教12.2%
カトリック6.8%
カオダイ教4.8%
その他3%

また、ベトナム各地のいたるところにカトリックの教会が存在します。
これらはフランス統治下において建てられたもので、先ほどご紹介したホーチミン人民委員会庁舎やオペラハウスと同様、西洋建築となっています。

サイゴン大聖堂
ハノイ大教会

ホーチミンにあるピンク色の教会は有名だよね。

『タンディン教会』ですね!
毎年たくさんの観光客が訪れます。

食べ物

ベトナム人がよく口にする食べ物にも、フランス文化の名残を感じ取ることができます。
最も大きな影響を受けた食べ物は、『バインミー』と『コーヒー』でしょう。

バインミー

バインミーとは、鶏肉や生野菜などをフランスパンで挟んだ、サンドイッチのような食べ物です。
ベトナムではあちこちの屋台で売られており、時間のない朝の軽食などにとても人気です。

私がベトナムに留学していた際も、多くの学生が通学路でバインミーを購入し教室で食べていました。

フランスパン
バインミー

コーヒー

ベトナムはコーヒー豆の一大産地です。
ベトナムのコーヒー豆の輸出量はブラジルに次ぐ堂々の第2位です。

ベトナムにおけるコーヒー豆の栽培は、19世紀にフランス人宣教師が持ち込んだコーヒーの木が始まりだとされています。
もともとはフランスへ輸出するために栽培していましたが、徐々にベトナム人の間でも広まっていきました。

現在では、コーヒーに練乳や卵を入れるといったベトナム独自の飲み方も広まり、生活に欠くことのできない飲み物になりました。

ベトナムのエッグコーヒー

ベトナムコーヒーについては以下の記事にまとめていますので、是非ご覧ください。

言語

ベトナム語の勉強をしたことのある方ならご存じかもしれませんが、ベトナム語の単語の中にはフランス語由来のものがいくつもあります。

例えば、チーズを表す『Pho mai(フォー マーイ)』は、フランス語のチーズを表す『Fromage(フロマージュ)』からきています。

また、ネクタイを表す『Cà vạt(カー ヴァット)』は、フランス語でネクタイを表す『cravate(クラヴァット)』からきています。

他にも、バター・パン・父親などもフランス語由来の言葉です。

中国語だけでなく、フランス語からの影響も大きいんだ。

まとめ

いかがだったでしょうか?

ベトナムの街中を歩いていると、至る所でフランス文化を感じることができます。
散歩をするとき、少し意識しながら歩いてみるとより楽しめるかもしれません。

当サイトでは今後もベトナムに関する情報を発信していきますので、是非また立ち寄ってくださいね~!(^^)!

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    筆者プロフィール

    サイト管理者
    ゆたか

    ▶関東の国公立大学卒の社会人 ▶大学2年次にベトナムのハノイ大学で1年間の語学留学を経験 ▶現地で日本語教師として1年間活動した経験あり ▶以降ベトナムの魅力にとりつかれ本ブログで情報発信中

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