ベトナムと言ったら、『蓮(ハス)』を思い浮かべる方も少なくないのではないでしょうか?
蓮はベトナムの国花として知られており、特にベトナム女性から高い人気を誇っています。
ということで今回は、
『なぜベトナムで蓮が愛されているの?』
『蓮にはどんな意味があるの?』
という疑問にお答えしていきます!!
蓮(ハス)ってどんな花?
蓮は、インド原産のハス科多年生水生植物です。
簡単に言うと、ハス科の水の中で成長する植物です。
主に沼に生息しており、地中から茎を出し、水面に葉を出します。
葉は、直径20㎝ほど、大きいものでは40㎝ほどにまで成長します。
蓮の茎は、皆さんご存じ、あの『レンコン』です。
そういった意味では、日本人にとっても身近な植物であると言えます。
蓮はベトナム語で『ホアセン(Hoa Sen)』といいます!
2011年の調査で蓮(ハス)はベトナム国花に!
2011年に、ベトナムの文化・スポーツ・観光省が実施したインターネット調査で、回答者の62.2%がベトナムを象徴する花として『蓮(ハス)』を選びました。
また、同省が実施した国花を決める直接投票では、35,000人の投票者のうち81.2%が蓮を国花に選びました。
こうして、蓮(ハス)は正式にベトナムの国花となったわけです。
なぜ蓮(ハス)はベトナムで愛されているのか?
ベトナムで蓮が愛される理由は大きく2つあります。
順に見ていきましょう。
ベトナムが仏教国だから
一つ目の理由は、ベトナムが仏教国であるからです。
蓮は、仏教と密接な関係があります。
蓮の花は、仏教において『極楽へ生まれられる人の心の特徴』を表しているとされています。
仏教関連の絵には、しばしば蓮の花が登場します。
今でこそベトナム国民の大半が無宗教者ですが、仏教的な慣習は現代にも根強く残っています。
蓮(ハス)は強く美しいから
蓮は池や沼などの水辺で成長し、汚れた泥の中で美しい花を咲かせます。
このような蓮の生き方は、どんな苦しい環境にあっても、強く美しく生きるベトナム人の理想的な生き方を象徴しているといわれています。
振り返ってみると、1975年4月のサイゴン陥落で幕を閉じたベトナム戦争の終結まで、中国やフランスなど、ベトナムは様々な国に翻弄されていきました。
そんな苦境に立たされた時に、人々の心の支えになったのが蓮でした。
蓮は女性からの人気が特に高いです!
アオザイは蓮の花柄が一番人気です!
ベトナム人ならみんな知ってる?蓮(ハス)にまつわる詩!
蓮については、ベトナム人ならだれもが知る詩があります。
Tháp Mười đẹp nhất bông sen,
(タップ ムオイ デップ ニャット ボン セン)
Việt Nam đẹp nhất có tên bác Hồ .
(ヴィエッ ナム デップ ニャット コー テン バック ホー)
皆さんは意味が分かりますか?
Tháp Mười (タップ ムオイ)の蓮は世界で一番美しい。
Việt Nam (ベトナム)は bác Hồ (ホー・チ・ミン)がいるから世界で一番美しい。
Tháp Mười (タップ ムオイ)とは、ベトナムのドンタップ県にある蓮の名所です。
蓮の美しさを引き合いに、ベトナム建国の父であるホー・チ・ミンを称賛する詩です。
昔からハスが愛されていたことがよくわかるね。
ベトナムに行ったら必ず飲みたい『ハス茶』!
ベトナムは、蓮が国花なだけあって、ハス茶の産地としても有名です。
ハス茶には、
①ハスの花を使ったお茶
②ハスの葉を使ったお茶
③ハスの芯を使ったお茶
の3種類があります。
ハスの花を使ったお茶は、ほんのりとした甘みと上品な香りを楽しめます。
一方で、ハスの葉と芯を使ったお茶は苦みが強く、特にハスの芯を使ったお茶の苦みはかなり強いです。
ベトナムの喫茶店のお茶は、主にハスの花を使ったお茶です↓
ベトナムで蓮(ハス)を見たいなら『ハノイの西湖』!
西湖はハノイ中心部にある、ハノイ最大の淡水湖です。
西湖のハスは、毎年6月半ば~7月半ばの梅雨の時期に見ごろを迎えます。
早朝6時~8時頃が最もきれいに開花するとされており、西湖には早朝からアオザイを着て写真を撮る女性の姿を目にすることも少なくありません。
西湖ウォーターパークの裏手にある『Hồ Sen Tây』は、毎年湖一面が蓮で埋め尽くされ圧巻です。
まとめ
ハスがベトナム人に以下に愛されているかが、おわかりいただけたでしょうか?
ハスはアオザイの柄としても人気ですし、ベトナム航空をはじめとした多くの企業でロゴとして採用それています。
ベトナムに行った際には、少し意識して周りを見渡してみると、面白い発見があるかもしれません!
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