ベトナムの少数民族について知ろう!【一覧とデータで見る少数民族の問題】

文化
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先日サパに行ってきました。
綺麗な棚田が印象的でした!

サパは外国人観光客にとても人気の観光地です。
特に少数民族の独特の生活に触れあえるのが魅力的ですよね!

サパって少数民族の村なんですか?

そうですよ!
ベトナムは多くの少数民族が存在する多民族国家ですよ!

へぇ~、いくつくらいの少数民族があるんですか?

じゃあ今回はベトナムの少数民族につてお話しましょうか。

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1.ベトナムの少数民族っていくつあるの?

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ベトナム政府によるとベトナムの民族は合計で54あります。
ベトナムの人口の86.2%を占めるキン族を除いた少数民族は53になります。

54の民族以外にベトナム政府に正式に認められていない超小規模村落がいくつも存在するため、実際の民族数はより多くなると考えられます。

外国人が多く訪れる観光地はキン族の街であることが多いため、これだけの少数民族がいるということは意外と知られていません。

2.ベトナムの少数民族一覧

ベトナム政府公認の54の民族は以下の通りです。
上述の通り、キン族を除いた53の民族が少数民族になります。

民族グループ民族名人口
ベトナム語系民族
(nhóm Việt-Mướng)
キン族
(Kinh)
82,085,826
ムオン族
(Mường)
1,452,095
トー族
(Thổ)
91,430
チュット族
(Chứt)
7,513
タイ語系民族
(nhóm Tày-Thái)
タイー族
(Tày)
1,845,492
タ―イ族
(Thái)
1,820,950
ヌン族
(Nùng)
1,083,298
サンチャイ族
(Sán Chay)
201,398
ザイ―族
(Giáy)
67,858
ラオ族
(Lào)
17,532
ル族
(Lự)
6,757
ボーイ族
(Bố Y)
3,232
中国南部語系民族
(nhóm Kadai)
ラチ―族
(La Chí)
15,126
ラハ族
(La Ha)
10,157
コーラオ族
(Cờ Lao)
4,003
プペオ族
(Pu Péo)
903
クメール語系民族
(nhóm Môn-Khmer)
クメール族
(Khmer)
1,319,652
バナ族
(Ba Na)
286,910
ソダン族
(Xơ Đăng)
212,277
コホ族
(Cơ Ho)
200,800
ホ―ゼ族
(Hrê)
149,460
モーノン族
(M'Nông)
127.334
ソーティエン族
(X'Tiêng)
100,752
ブル・ヴァンキエウ族
(Bru-Vân kiều)
94,598
コム族
(Khơ Mú)
90.612
コトゥ族
(Cơ Tu)
74,173
ゼ―チエン族
(Gẻ Triêng)
63,322
タオイ族
(Tà Ôi)
52,356
マ族
(Mạ)
50,322
コ族
(Co)
40,442
チョゾ族
(Trơ Ro)
29,520
シンムン族
(Xinh Mun)
29,503
カン族
(Kháng)
16,180
マーン族
(Mảng)
4.650
ゾマン族
(Rơ Măn)
639
ブゾウ族
(Brâu)
525
オドゥ族
(Ơ Đu)
428
中国ミャオ族系民族
(nhóm H'Mông Dao)
ホーモン族
(H'Mông)
1,393,547
ザオ族
(Dao)
891,151
パーティエン族
(Pà Thiẻn)
8,248
マレーシア・ポリネシア系民族
(nhóm Nam Đào)
ザーザイ族
(Gia Rai)
513,930
エーデー族
(Ê Đê)
398,671
チャム族
(Chăm)
178,948
ザーグライ族
(Ra Glai)
146,613
チュズ族
(Chu Ru)
23,242
中国語系民族
(nhóm Hán)
ホア族
(Hoa)
749,466
サンジウ族
(Sán Dìu)
183,004
ンガイ族
(Ngái)
1.649
チベット・ブルマ語系民族
(nhóm Tạng-Miến)
ハーニ―族
(Hà Nhì)
25,539
フーラー族
(Phù Lá)
12,471
ラフ―族
(La Hủ)
12,113
ロロ族
(Lô Lô)
4,827
コン族
(Cống)
2.729
シラ族
(Si La)
909

ベトナムの民族は使用言語によって8つのグループに分けることが出来ます。
それぞれの言語グループの中にはさらに数十もの言語があるため、同じ言語グループに分類されている民族でも違う言葉を話す場合があります。

3.ベトナムの少数民族の分布

それでは少数民族はいったいどこに住んでいるのでしょうか?

下の図はベトナムの少数民族の分布を表したものです。
北部や中部高原に濃い色が集中していることが分かります。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: スクリーンショット-50.png
ベトナムの少数民族分布図 出典:https://www.gso.gov.vn/wp-content/uploads/2020/07/01-Bao-cao-53-dan-toc-thieu-so-2019_ban-in.pdf

色の濃い地域の多くは中国やラオス、カンボジアとの国境付近で、昔周辺国からベトナムに入ってきた民族がそのまま住み着いた、もしくは国境をまたいだ民族がいるのどちらかです。

特に濃い色が集中している北部や中部高原は山岳地帯であり、一年を通して非常に寒冷なのが特徴的です。

一方でベトナムの最大民族であるキン族の分布を表したのが下の地図です。
キン族はベトナム人の86.2%を占める、日本人が一般的に想像するベトナム人です。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: スクリーンショット-52.png
キン族の分布図 出典:https://www.gso.gov.vn/wp-content/uploads/2020/07/01-Bao-cao-53-dan-toc-thieu-so-2019_ban-in.pdf

キン族は主に海に面した地域や平地に多く分布していることが分かります。

特に北部のハノイ周辺や南部のホーチミン周辺は色が濃いことが分かります。

4.ベトナムの少数民族が抱える問題

ここからはベトナムの少数民族が抱える問題を、ベトナム統計総局とベトナム民族委員会のデータを基に見て行きましょう。

①識字率の低さ

2019年のベトナム人全体の識字率の平均が95.8%であるのに対し、少数民族の平均は80.9%でした。
これは少数民族の5人に1人は読み書きができないことを表しています。

特に問題なのが、2015~19年の5年間の間に大きな改善が見られないということです。

2015年の少数民族の識字率はまだまだ低く伸びしろがあったにもかかわらず、この5年間での改善はベトナム人全体とほぼ同じ1パーセント程度です。

経済の成長とともに教育水準も向上してきてはいるものの、まだまだ課題は山積みです。

②平均寿命の低さ

2019年のベトナム人全体の平均寿命は75.4歳でした。
それに対して少数民族の中で平均年齢が最も短かったラフ―族は59.4歳でした。

少数民族の中で最も平均寿命の長いホア族でさえベトナム人全体の平均寿命には届いていませんでした。

衛生観念の低さや病院の少なさが影響している可能性が高いと考えられます

③家電普及率の低さ

下のグラフは2019年の少数民族とベトナム人全体の主要家電普及率を比較したものです。

少数民族の方が普及率が低いことが分かります。
まだまだ大きな経済的格差がありそうです。

④学校にいけない子供が多い

下のグラフは学校にいけない子供の割合を小中高別に表したものです。

少数民族はキン族に比べ学校にいけない子供の割合が多いことが分かります。
特に中学校、高校ではキン族の2倍以上学校に通えない子供が多くなっています。

経済的な問題や交通インフラの未発達が原因であると考えられます。

少数民族の抱える問題まで知れてとても勉強になりました。

少数民族の住む地域はハノイやホーチミンなどの大都市とはまた違った雰囲気があってとても魅力的です。

少数民族の村を観光することが間接的に彼らを救うことになるかもしれませんね。

そうですね。
サパ以外の村にも行ってみたいと思います!

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    筆者プロフィール

    サイト管理者
    ゆたか

    ▶関東の国公立大学卒の社会人 ▶大学2年次にベトナムのハノイ大学で1年間の語学留学を経験 ▶現地で日本語教師として1年間活動した経験あり ▶以降ベトナムの魅力にとりつかれ本ブログで情報発信中

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