「エモい」「ワンチャン」「すこ」など、日本の若者が使用する言葉は日々進化しています。
これは万国共通であり、ベトナムの若者も例外ではありません。
日本にいるベトナム人は、留学生や技能実習生など比較的若いです。
ベトナム語の若者言葉を覚えることは、彼らとコミュニケーションをとるうえで非常に役立ちますから、是非覚えていきましょう!
もう怒った!
Giận tím người!
(ザン ティム ングオイ!)
Giận=怒る、tím=紫、người=体で、「体が紫色になるほど怒る(憤慨する)」という意味があります。
何もない
Còn cái nịt
(コン カーイ ニット)
ベトナムでは札束を輪ゴムで縛る習慣があります。
とある有名ユーチューバーの「もし道端に札束が落ちていたら、残るのは輪ゴム(cái nịt)だけだよね。」という冗談から、「輪ゴムしか残らない」→「何もない」のように意味が変化していきました。
この「何もない」は物理的な意味で使います。
お金がないことを表現するときにも使えますよ!
それが人生さ!
Cuộc sống mà!
(クオック ソン マー!)
英語では「That’s life!」と訳されます。
あるネット販売業者が購入者に突然注文をキャンセルされたときのこと。
その理由を尋ねると、「Cuộc sống mà!(人生そんなもんさ!)」と返答があり、販売業者は何も言い返せなかったそうです。
長い人生、時には諦めも必要なんだということを教えてくれたこのエピソードが面白いと話題になり、いつしか若者の間で流行するようになりました。
いいえ
Khum
(クム)
通常の「いいえ」は「Không(コン)」ですが、それをかわいらしく言い換えたのが「Khum(クム)」です。
このほかにも「Khèn(ケン)」も同じ意味で使われます。
SOS(助けて)!
Ét o ét!
(エット オー エット)
日本語で「SOS」は比較的深刻な場面で使用することが多いですが、ベトナムの若者の間では日常会話の中での使用が流行しています。
「宿題が終わらない。Ét o ét!」
みたいな感じです!
やりすぎ
Ố dề
(オー ゼー)
この言葉を早口で言うと、英語の「oh yeah」に聞こえてきませんか?
とあるベトナム人がTiktokに投稿したメイクアップ動画内での、「メイクアップはほどほどに、oh yeah!にならないように気を付けて!」という発言から生まれた言葉です。
「oh yeah!」=「はっちゃける」というイメージから生まれた言葉ですね!
恋人
Gấu
(ゴウ)
通常は「熊」という意味で使われるこの言葉ですが、近年は恋人を指す言葉として広く知れ渡るようになりました。
ぶりっ子
Bánh bèo
(バイン ベオ)
ベトナム中部フエの伝統的なお菓子を指す言葉ですが、そのプルンプルンな食感から、「幼稚な女」「女らしすぎる」という意味のスラングになりました。
元々、ゲイの男性が女性を皮肉るために使っていた言葉でしたが、現在では若者を中心に広く使用されています。
口説く、誘惑する
Thả thính
(ター ティン)
「Thả」は放り投げる、「thính」は米粉を丸めた魚のえさという意味がそれぞれあり、釣りをする際に使用する「撒き餌をする」という意味があります。
そこから派生して「甘い言葉で相手を口説く、誘惑する」という意味に転じ、若者の間で広く使用されています。
ガキっぽい
Trẻ trâu
(チェー チョウ)
「trẻ」は若い、「trâu」は水牛の意味があり、直訳すると「若い水牛」という意味です。
水牛は基本的におとなしい動物ですが、子供の水牛は元気ではしゃぎまわることが多く、転じて大人になったのに落ち着かない、子供のようにはしゃぐ人を指す言葉になりました。
なんてこった!
CLGT
(セー エル ゴー トー)
「cái l*n gì thế」の略語で、「What the hell」「なんてこった」の意味で使われます。
主に書き言葉で使います!
終わった!
Toang!
(トアン)
もう取り返しのつかない状況で使います。
例えば、宿題提出日の前日にやっていないことに気が付いた時には、「Thôi toang rồi!(はい、終わった!)」と言うことができます。
キーボードヒーロー
Anh hùng bàn phím
(アイン フン バン フィム)
「Anh hùng」はヒーロー、「bàn phím」はキーボードという意味があります。
2019年に行われたサッカーのアジアNo1を決めるAFCアジアカップにおいて、大会後、ベストゴールを決める投票がインターネット上で行われました。
ベトナムのサッカーファンは、ベトナムの神童、グエン・クアン・ハイのイエメン戦でのゴールを上位に押し上げるため協力し、わずか数時間でTOP10にランクインさせました。
このことから、インターネット上で活躍する人の総称として使われるようになりましたが、近年では、インターネット上でしかものを言えない人という意味で皮肉として使われることが多いです。
日本語で言うところの「ネット弁慶」ってところです。
バーチャルライフ
Sống ảo
(ソン アーオ)
SNS上に過度に編集・加工した写真や、現実ではなかなかできない贅沢な様子を投稿する人に対し、それを揶揄するために使われる言葉です。
彼らはバーチャルの世界、幻想の中を生きている人とみなされます。
裸のニワトリを見る
Ngắm gà khỏa thân
(ンガム ガー コアー タン)
ベトナムでは、仏壇にニワトリを丸一匹お供えする習慣があります。
裸のニワトリを見るということは、要するに「死ぬ」ということです。
ベトナムでは交通インフラが発展途上のため、交通事故が頻発しています。
スピードを出しすぎるなど、荒い運転をする人に「裸のニワトリを見ることになるなよ」と注意することがあります。
YOLO
YOLO
(ヨーロー)
「You Only Live Once(人生一度きり)」の略です。
日本の若者同様、ベトナムの若者も「一度きりの人生なのだから自分が楽しいと思うことをして過ごそう!」と考えており、そこから生まれた言葉です。
日本もベトナムも若者の思考は変わりませんね~
割り勘
Campuchia
(カンプチア)
ベトナムの隣国カンボジアも、今や若者言葉の仲間入りを果たしています。
ベトナム語で「chia(チア)」には分けるという意味があり、そこから発展して割り勘を面白おかしく言う表現として使われるようになりました。
何?
Dề?
(ゼ―?)
ベトナム語で「何?」は「Gì?(ジー)」ですが、それを面白く言うために若者の間で流行している言葉です。
へなちょこ
Gà
(ガー)
もともとの意味は「ニワトリ」です。
ベトナムでニワトリは相手をバカにする言葉としてしばしば使われます。
何かを皆でやるときに下手な人や、弱い人に対して冗談で使う言葉です。
日本語でも小心者を「チキン」と言いますよね!
うらやましい!
GATO quá!
(ガートー クアー
「GATO」とは「Ghen Ăn Tức Ở」の略であり、自分が持っていないものを他人が持っているときに使う言葉です。
例えば、友人がクリスマスに恋人とのツーショット写真をFacebookに投稿した時に、「GATO quá!」とコメントすることで相手に対する嫉妬心を伝えることが出来ます。
また、「Gầ Tồ(頭のおかしいチキン野郎)」という言葉の変形としてGATOを使う地域もあるようなので、使い方には注意が必要です。
まとめ
今回ご紹介した若者言葉は、場を盛り上げるのに非常に役立つ反面、状況によっては相手を深く傷つけてしまうなんてことも。
使用するときには一度立ち止まり、よく考えてから発するようにしましょう
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