『狂犬病』といえば、だれもが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
日本は世界でも数少ない狂犬病清浄国ですが、ベトナムでは毎年300人ほどが狂犬病に感染しています。
恐ろしい病気であることは間違いありませんが、狂犬病を正しく認識することで多くの場合最悪の事態を避けることができます。
今回は、これからベトナムに滞在する予定の方に向けて、ベトナムにおける狂犬病事情をまとめましたので是非参考にしてみてください。
狂犬病ってどんな病気?
『狂犬病』とは、全世界で毎年5万人以上の命を奪っている感染症です。
日本においては狂犬病に感染している犬はいないとされていますが、世界ではまだまだ猛威を振るっている感染症です。
発症後の有効な治療法はいまだになく、致死率は100%です。
感染経路は?
狂犬病と聞くと日本では犬を想像しがちですが、コウモリやキツネ、マングースなどを媒介して感染することもあります。
感染の主な原因は、狂犬病に感染している動物に噛まれたり、傷口をなめられたりすることです。
海外に行った際には、可愛い犬を見かけても近づかないことが肝要です。
どんな症状が出るの?
人が感染した場合、噛まれた場所によって症状や感染速度が変わってきます。
早ければ10日程度で発熱や頭痛、嘔吐や倦怠感といった症状が現れ始めます。
一方で、神経細胞の少ない部分をかまれた場合には発症までに数か月から数年かかることもあります。
狂犬病が発症すると、食べ物や水が飲み込みづらくなったり、水を見ると筋肉が痙攣するようになったり(恐水症)します。
最終的には全身が痙攣し、呼吸が麻痺し死亡します。
ベトナムで狂犬病にかかるリスクはある?
厚生労働省の発表によると、ベトナムでは毎年300人ほどが狂犬病に感染しています。
2017年にはベトナム全土で合計28人の死者が出ています。
ベトナムには1000万匹程度の犬が生息していると考えられていますが、狂犬病ワクチンの接種が完了している犬は60%にも満たないとされています。
また、多くの犬が放し飼いのため、道を歩いていると突然犬にかみつかれるというケースがあるようです。
日本ではすべての犬に狂犬病のワクチンを接種することが義務付けられていますから、狂犬病に感染するリスクは極めて低いです。
狂犬病に有効な対策
では、ベトナムで狂犬病に感染しないためには、いったいどのような準備をしておくべきなのでしょうか?
予防接種
渡航前に日本でワクチン接種を受けておきましょう。
期間をあけて3回接種することで、3年間免疫が持続します。
可愛い犬にも近づかない
ベトナムの道を歩いていると分かりますが、あらゆるところに野良犬がいます。
中にはなついてくる犬もいるのですが、可愛いからといって接触をすると取り返しのつかないことになることもあります。
コウモリやキツネに近づく人はあまりいないかもしれませんが、こちらも注意が必要です。
それでもベトナムで野良犬に嚙まれたら?
狂犬病に感染しないためには、早急な対応が重要です。
ベトナムで犬に噛まれたら、まず清潔な水で傷口を洗い流し、消毒を行いましょう。
こうすることで、ウイルスの感染力を弱めることができます。
それが終わったら病院へ行きましょう。
狂犬病は、噛まれる前に予防接種を受けていなくても、症状が出始める前にワクチンを接種することで感染を抑えることができます。
一般的に噛まれてから24時間以内にワクチンを接種するのが望ましいとされています。
予防接種を受けていた場合
事前に予防接種を受けていた場合には、噛まれたのち3回の追加接種が必要になります。
受ける時期は正確に定められていますから、厚生労働省のホームページなどで事前に確認しておくとよいでしょう。
予防接種を受けていなかった場合
予防接種を受けていない状態でいきなり噛まれてしまった場合には、合計6回のワクチン接種が必要になります。
短期間で6回の接種を受けることになりますから、会社への報告等は早めに済ませておくことが無難です。
こちらも受ける時期等は事前に確認しておきましょう。
まとめ
狂犬病は発症すると致死率100%の恐ろしい病気です。
ところが、今回ご紹介した対策を施し、正しい知識をつけることで発症をほぼ確実に防ぐことができます。
より詳しい情報等は厚生労働省のホームページや、日本獣医師会のホームページに載っていますから改めてご確認ください。
コメント