ベトナムに旅行・出張・移住する前に知っておきたい基礎知識を総まとめ!【文化・経済・歴史・言語など】

文化
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どんな国に行くにも初めての時には不安ですよね。

ベトナムも例外ではありません。

そんな皆さんが安心してベトナムに旅行、出張、移住できるように最低限知っておきたい基礎知識を幅広くまとめてみました!

歴史や言語、経済や交通までベトナムに関する様々な情報を詰め込みましたので、ベトナムに行く前にぜひ最後まで読んで不安を少しでも解消していってください!

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1.ベトナムの位置

ベトナムは日本の南西約3800kmに位置する、東南アジアの国です。

北は中国、西はラオス、カンボジアと国境を接しており、南と東は東シナ海およびタイ湾に囲まれています。

ベトナムは北端から南端まで1650kmと南北に長い国であり、国土は約33万平方キロメートルで日本よりやや小さくなっています。

チュオンサー諸島やホアンサー諸島に代表されるようにベトナムの海域には多数の島が存在し、その数は約1千島にものぼります。

2.日本からのアクセス

ベトナムへは飛行機で行くのが一般的です。
東京・大阪からベトナムの主要都市へ飛行機で行った場合の所要時間と料金は以下の通りです。

・東京(羽田)←→ ハノイ(ノイバイ)
6時間30分 往復45000~70000円

・東京(羽田)←→ ホーチミン(タンソンニャット)
7時間 往復50000~70000円

・大阪(関空)←→ ハノイ(ノイバイ)
6時間 往復45000~65000円

・大阪(関空)←→ ホーチミン(タンソンニャット)
6時間30分 往復50000~70000円

*航空券の値段は時期によって変動します。
*値段はすべてエコノミークラスのものです。

LCCに乗ると2万円台で往復できることもありますので、よくリサーチしてから予約すると良いでしょう。

3.日本との時差

日本とベトナムの時差は2時間です。

日本の方が2時間早く進んでいますので、

・日本:10時 → ベトナム:8時
・日本:17時 → ベトナム:15時

になります。

4.地域ごとの気候

ベトナムは南北に長い地形の影響もあり、地域によって気候が全く違います。

北部のハノイには四季が存在し、12月~2月の寒い日には10℃程度まで気温が下がる日もあります。
中部のダナンやフエ、ホイアンはハノイほどは気温が下がらないものの、9月~2月にかけては20℃を下回る日もあるので長袖の用意が必要です。
一方、南部のホーチミンは年中蒸し暑いのが特徴です。

また、9月~12月は雨期であり、洪水が起こるほどの雨が降りますので注意が必要です。
南部のホーチミンには四季が存在せず、雨季と乾季を交互に繰り返します。

ダラットなどの中部高原は1年を通して20℃前後で非常に過ごしやすい特徴的な気候です。

5.人口と民族

2019年時点でのベトナムの人口は約9600万人で、1億人の大台がすぐそばまで迫ってきています。

ベトナムは北部の山岳地帯を中心として、50を超える少数民族が存在する多民族国家です。
最も多いのがキン族であり、全人口の約86%(約8256万人)を占めています。

その他の民族は以下の通りです。

6.歴史

紀元前7~8世紀ごろに興ったヴァンラン国(Văn Lang)がベトナムの始まりとされていますが、その存在は疑問視されており伝説上のものであるとする説もあります。

紀元前1世紀ごろ~紀元後10世紀半ばごろまでは、いくつかの独立王朝が誕生したものの漢や唐など現在の中国大陸の国に服属している期間が長かったようです。

10世紀後半~19世紀半ばにかけては独立王朝続きましたが、中国大陸からの影響は強く中央集権的な国家を築くまでには至りませんでした。

1887年からはフランスの支配を受け、仏領インドシナとして徹底した同化政策を強いられるようになってしまいます。

1945年にベトナム建国の父であるホーチミンを中心に独立運動が活発化し、1954年のジュネーブ協定によりようやく独立を勝ち取ります。

しかし結果的にこれが引き金となり、冷戦による資本主義陣営と社会主義陣営の対立も相まってベトナム戦争が勃発してしまいます。

1965~1975年の10年間にも及んだ長期戦は、サイゴン陥落という形で社会主義陣営の勝利に終わりました。

その後、1986年からのドイモイ政策により急激な経済成長を開始し、近年では年率7%前後のGDP成長率を維持しています。

7.国旗とその意味

ベトナムの国旗は赤地に黄色い星のシンプルなデザインです。

ベトナムの国旗は別名を「金星紅旗(きんせいこうき)」といい、中心にある星は「五芒星(ごぼうせい)」という名前があります。

デザインはベトナム建国の父であるホーチミンによるものです。

赤地には

①社会主義の象徴
②独立のために人々が流した尊い血

の二つの意味があります。

一方で「五芒星(ごぼうせい)」には「革命」という意味があります。

五芒星の5つの先端はそれぞれ、労働者・農民・兵士・青年・知識人を表しており、各階層が団結してより良い国を作っていってほしいというホーチミンの願いが込められています。

8.言語

ベトナムの主な言語はベトナム語です。
少数民族が使う言語も存在しますが、日本でも一般的に知られている観光地はベトナム語で十分に通じます。

ベトナム語はその母音の多さや、日本語にはない声調が原因で日本人にとってマスターが非常に難しい言語になっています。

観光地周辺には英語を話せるベトナム人も多いので、ベトナム語と合わせて英語も勉強していくと安心です。
日本語対応のあるホテルや飲食店も多数存在しますので、ベトナムへ渡る前にリサーチしておくと良いでしょう。

9.宗教

ベトナムは他の東南アジアの国々と同様に仏教国です。
日本と同じ大乗仏教であり、戒律はあまり厳しくありません。

商売繁盛や安産祈願のためにお寺にお参りをする人は多いですが、敬虔な仏教徒であると自信を持って言える人は少ないのが現状です。
2017年のベトナム政府の調査によると7割以上の国民が無宗教であり、その割合は年々増えているようです。

その他、フランス統治化時代の影響を受けたキリスト教や、多くの新興宗教が存在しています。

10.治安

外務省の海外安全ホームページによると、2020年12月現在のベトナムの治安は5段階中もっともよい評価である「なし」です。
しかし、これはもちろん全くの安全を保障するものではありません。

特に外国人の多い観光地ではスリや置き引きなどの軽犯罪が多数報告されています。
比較的治安のいい国とはいえ日本と同じ感覚で行っては痛い目にあいます。

警察に行っても英語がなかなか通じませんし、盗まれたものが返ってくることはごく稀ですので十分に注意しましょう。

万が一パスポートを紛失する等緊急の事態が発生した場合には、速やかに最寄りの日本大使館または領事館に連絡をしましょう。

以下、在ベトナム日本大使館・領事館の連絡先とホームページアドレスです。

在ベトナム日本大使館(ハノイ)

Viet Nam
Embassy of Japan
27 Lieu Giai Street, Ba Dinh District, Hanoi, Viet Nam
電話:84-(0)24-3846-3000
Fax:84-(0)24-3846-3043

https://www.vn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

在ホーチミン日本国総領事館

Ho Chi Minh
Consulate-General of Japan
261 Dien Bien Phu Street, District 3, Ho Chi Minh City, Viet Nam
電話:84-(0)28-3933-3510
Fax:84-(0)28-3933-3520

https://www.hcmcgj.vn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

在ダナン領事事務所

Da Nang
Consular Office of Japan
2F Tsubaki, GRANDVRIO City, 01-03 Dong Da Str, Hai Chau Dist., Da Nang, Viet Nam
電話:84-(0)236-3555-535
Fax:未設置

11.ビザ(VISA)の種類と申請方法

ビザ(VISA)とは簡単に言うと入国許可証のようなものです。
2020年12月現在、ベトナムに入国する際には20種類のビザが存在します。

この中でも日本人が良く使うであろう「観光ビザ(DL)」「ビジネスビザ(DN)」について簡単に説明します。

①観光ビザ(DL)

2週間以内の滞在であればビザの申請は必要ありません。
それ以上の滞在を希望する場合には、1カ月もしくは3カ月のどちらかの期間を選んでビザを申請する必要があります。

ビザの申請は駐日ベトナム大使館および領事館で行うことが可能です。
ビザの種類や期間によって$25~$50の手数料がかかります。

もしも期間を超えてベトナムへの滞在を希望する場合には、1カ月ビザの場合は2カ月、3カ月ビザの場合は27日を上限としてベトナム国内で延長が可能です。
ビザの延長は必ず承認されるわけではありませんので、期間に余裕のあるビザを申請しましょう。

②ビジネスビザ(DN)

ビジネスビザは2週間以上の滞在による商談等ビジネス目的の渡航の際に申請できるビザです。

期間は1カ月、3カ月、6カ月、1年のうちから選択できます。

観光ビザの場合と違い、ベトナムの出入国管理局が発行する招聘状を取得し、それを必要書類と一緒に駐日ベトナム大使館もしくは領事館に提出する必要があります。
招聘状の取得は在ベトナム法人の書類が必要になりますので、個人での申請はできません。

手数料は$25~$135です。

駐日ベトナム大使館および領事館の住所・電話番号等は以下の通りです。

ベトナム社会主義共和国大使館(東京)

住所:₸151-0062 東京郡渋谷区元代々木町50-11
電話番号:03-3466-3311

在大阪ベトナム社会主義共和国領事館

住所:〒590-0952 大阪府堺市堺区市之町東4-2-15
電話番号:072-221-6666

在福岡ベトナム社会主義共和国領事館

住所:〒810-0801 福岡県福岡市博多区中洲5-3-8
電話番号:092-263-7668

12.祝日と祭日

ベトナムには多くの祝祭日が存在します。
その中でも特に重要視されているものについて簡単にご紹介します。

ベトナムの主な祝祭日(2022年)
日付概要
元旦1月1日ベトナムでは旧正月が重視されるため、元日のみが祝日です。
旧正月(テト)1月31日~2月4日日本で言う正月休みです。
ほとんどのお店が閉まりますので、この時期の旅行は避けた方が無難です。
国際女性の日
ベトナム女性の日
3月8日
10月20日
女性の権利向上を目的とした祭日です。
男性が女性に贈り物をするのが慣例となっており、この時期になると花を売る露店が多数現れます。
南部解放記念日・メーデー4月30日
5月1日
ベトナム戦争終結と記念した祝日です。
ホーチミン主席生誕記念日5月19日ベトナム建国の父であるホーチミンの誕生日です。
国慶節(建国記念日)9月1日、2日1945年のこの日にベトナムは仏領インドシナからの独立を果たしました。
中秋節9月10日日本でもおなじみの中秋節。
この日は多くの出店が道に並びお祭り状態です。
ベトナム教師の日11月20日すべての教師に感謝の気持ちを伝える日です。
この日には学生が先生に花束などプレゼントを贈る習慣があります。

13.経済

南部の都市ホーチミンにあるビテクスコタワーからの景色

ベトナムのGDP(国内総生産)は2018年で2372億ドルでした。
2018年の日本のGDPが4兆9564億ドルであったことを考えると、ベトナムのGDPは日本の20分の1ほどであることが分かります。

また、ベトナム国民一人当たりの年収は約30万円、月収は2万7千円ほどです。
ハノイやホーチミン、ダナンなどの大都市で賃金が上昇している一方、山間部を中心とした地方は依然低賃金だというのが現状です。

14.物価

ベトナムの通貨単位は「ドン(Đồng)」です。
だいたい200ドンで1円という計算になりますので、ドン表示の価格を200で割ると円換算できます。

地域や時期によって多少の差はありますが、主な日用品およびサービスの価格は以下のような感じです。

ペットボトルの水500ml20円(4千ドン)
市バス25円(5千ドン)
ビール75円(1万5千ドン)
卵10個入り100円(2万ドン)
フォー150円(3万ドン)
床屋250円(5万ドン)
SIMカード400円(8万ドン)
映画館400円~800円(8万ドン~16万ドン)
給湯器1000円(20万ドン)
アパート1カ月1万円~(200万ドン~)

両替は空港はもちろんのこと、街の宝石店やホテルのフロントでも行えるところがあります。
レートは交換所によって多少違いますが、5万円程度の両替でしたら数百円程度しか変わりませんので、どこで交換しても問題ありません。
交換レートの良い両替屋を探すより、少しでも多くの場所を訪れることに時間を使う方が有意義です。

15.交通

ハノイを走る市バス
ベトナムのタクシー

ベトナム人の主な移動手段はバイクとバスです。
車は関税が高く、国産車がほとんど販売されていないベトナムにおいては富裕層の乗り物です。
鉄道はベトナムを南北に走る統一鉄道のみで、短距離の移動には適していません。

バスはハノイの場合25円(5000ドン)を支払えばその路線の終点まで乗ることが出来ます。

タクシーは地域や車種、会社によって多少の差はあるものの、初乗りはおおむね50円~80円(1万ドン~1万6千ドン)で、その後は1kmごとに70円(1万4千ドン)程度が加算されていきます。
5kmなら300円~400円(6万ドン~8万ドン)、10kmなら600円~800円(12万ドン~16万ドン)が大体の目安になります。

16.食べ物

ベトナムの主食は米およびそれを加工した麺です。
また、フランス統治時代の影響もあり、フランスパンのような触感のパンに野菜や肉を挟んだ「バインミー」もポピュラーな食べ物です。

南国ならではのフルーツも豊富で、市場やスーパーで安価で仕入れることが可能です。
特におすすめのフルーツはマンゴーとパイナップル!
スーパーではもちろんのこと、露店でもよく販売されています。

また、日本ではなじみのない犬や水牛などを食べる文化もあり、一風変わった不思議な食文化を体験したい人にお勧めです。

ベトナムの代表的な料理を簡単にご紹介します。

①フォー

鶏肉を使った「フォーガー」

フォーは米を加工して作った麺を、鶏肉やパクチーなどと一緒に食べる料理です。
お好みでカボスを絞って入れます。
鶏肉を使った「フォーガー」のほかに、牛肉を使った「フォーボー」もポピュラーです。

②春巻き

揚げ春巻き

ベトナムの春巻きには「揚げ春巻き(ネムザン)」「生春巻き(ネムクオン)」があります。
どちらもヌオックマムという甘酸っぱいタレに付けて食べるのが主流です。

③バインミー

フランスパンの様な食感のパンに肉や野菜、卵などを挟んだ料理です。
バインミーを朝ごはんとして食べる人も多いようです。

値段は25円~50円程度と激安です。

17.簡単なベトナム語

最後にベトナムで生活するうえで役に立つベトナム語フレーズをいくつか紹介します。

①おはようございます、こんにちは、こんばんは

Xin chào
(スィン チャオ)

②ありがとう

Cảm ơn
(カーム オン)

③ごめんなさい

Xin lỗi
(スィン ロッオイ)

④またね

Hẹn gặp lại
(ヘン ガップ ライ)

⑤はじめまして

Rất vui được gặp bạn
(ザッ ヴーイ ドゥォック ガップ バン)

まとめ

今回はベトナムの知っておくべき基礎知識についてまとめてみました。

ベトナムは日本からのアクセスも良く、食・自然・物価・歴史など広範囲にわたって魅力的な国です。

この記事によって1人でも多くの日本人のベトナムへ渡る際の不安が解消されれば幸いです。

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    筆者プロフィール

    サイト管理者
    ゆたか

    ▶関東の国公立大学卒の社会人 ▶大学2年次にベトナムのハノイ大学で1年間の語学留学を経験 ▶現地で日本語教師として1年間活動した経験あり ▶以降ベトナムの魅力にとりつかれ本ブログで情報発信中

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